拒絶査定後の対応
商標法における拒絶査定とは、審査官が出願人と拒絶理由や意見書・補正書のやり取りをしたにも関わらず「この商標登録出願は登録すべきでない」と判断した場合に、その判断を出願人に通知する事をいいます。 この拒絶査定が通知された場合に出願人がなせる対応は大きく分けて3つあります。
- 拒絶査定を受け入れ商標の登録を諦める。
- 一部分割し、確実に登録できる部分だけ登録する。
- 拒絶査定不服審判を請求し登録を目指す。
今回は1つめと2つめの対応について説明していきます。
拒絶査定を受け入れ商標の登録を諦める
文字通り拒絶査定に承服し出願した商標の登録を諦めるという事です。このように登録を諦める場合、拒絶査定に対しては特に対応する必要はありません。放置しておけば自動的に拒絶査定が確定し出願した商標は登録できなくなります。
一部分割し、確実に登録できる部分だけ登録する
これは出来る場合と出来ない場合があります。拒絶理由の内容が商標と一部の商品との関係におけるものの場合、その問題となる一部の商品を切り離す手続をすれば、残りの商品は登録できます。
例えば、商標「フジ」に対し商品を「ハンカチ・おしぼり」「菓子・パン」として出願していたとします。それに対する拒絶理由が「Aさんの登録商標は『フジパン』であり商品『菓子・パン』で登録されている。したがってあなたの商標『フジ』を商品『菓子・パン』に使用するのはAさんの商標と同一または類似する商標となるため登録できません」だったとします。これに対し出願人は「私の出願商標はAさんの商標とは同一でも類似でもありません。理由は・・・」と反論する意見書を提出しました。
しかし、この意見書が認められることはなく拒絶査定がきてしまった。このような場合には出願を分割し「ハンカチ・おしぼり」部分のみ優先的に登録し、問題となった「菓子・パン」部分を「ハンカチ・おしぼり」部分とは別の新しい出願とし登録を目指す事ができるのです。
因みにこの方法は分割すべき商品がない場合、上記の例でいうなら出願人が指定した商品が「菓子・パン」のみだった場合には利用する事ができません。