商標法と商標審査基準について
商標が登録されるためには出願して審査を通過する事が必須条件です。どんなに見た目に素晴らしい商標を考案したとしても、審査を通過しなければ登録はできません。この審査は特許庁の審査官という役職の人が担当し、商標法と審査基準に基づき行われます。
商標法とは
商標法というのは文字通り商標に関する法律で、商標登録までの流れや商標権の権利の内容等を定めています。この商標法の中にも商標登録の要件は規定されていますが、その内容は大まかであり、素人では条文を見ただけでは何が良くて何が駄目なのか分からないような書き方がされています。
商標審査基準とは
審査基準は商標法の条文だけでは解釈しきれない細かい法律の運用方法が記載された文章で、特許庁のホームページから参照する事ができます。 ここで商標審査基準にはどのような事が書いてあるのかを少し紹介します。
商標審査基準とは具体的にいうと、商標法3条と4条に規定されている規定の詳細が記載されています。 商標法3条1項柱書を例に挙げると、同条は「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。」となっているだけで、これを見ただけでは「自己の業務」という言葉の意味は不明確です。
これが同条の商標審査基準を参照すると「自己の業務」というのは、出願人が現在従事している業務の他に、将来事業展開する予定の業務も含まれる事がわかります。
また法律の制限で出願人が指定商品又は役務に指定した業務を行えないのが明らかな場合は、該当する指定役務については商標登録ができない事などもわかります(例えば、弁護士でもないのに「○○弁護士事務所」の商標を登録しようとした場合、この規定により登録する事ができません)。
さらに出願人が指定する商品が、本当に出願人が行っているかを証明する必要が出た場合には、新聞や雑誌に掲載され
た記事や店舗内の写真、注文伝票や領収書などの取引書類等が証拠書類になる事なども記載されています。
このような調子で商標審査基準には条文には記載しきれない法の運用方法が細々と書かれています。確実に早く商標を登録するのであれば、専門家に依頼をするのが一番ですが、商標審査基準は場合によってはイラストを使うなどして商標法を分かりやすく解説していますので、興味がある方はまず商標審査基準を読むと良いかもしれません。