称呼の付け方
『図形・文字数の多い商標の場合』
前回、商標が『数字・記号の場合』で書かれている場合の称呼について説明しました。今回は図形の商標と、文字数の多い商標の称呼ついてみていきます。
図形商標の場合
図形は文字ではないので、そもそも「読み方」というものが存在しないように思われます。しかし図形の場合でも、その商標の観念(意味合い)を称呼として付しているものがあります。
例えば商標が桜の花の図形からの場合、その称呼には「サクラ」が付されているものがあります。また商標が人の足の裏の図形の場合、その称呼には「アシアト」と「フットマーク」が付されているものがあります。
また傾向として動物やその物体の代表的な形を表した様な図形の商標の場合には、基本的にその動物や物体の名前が称呼とされる場合が多いようです。
例えば商標がコアラの図形の場合、その称呼には「コアラ」が付されていますし、商標が蛙の図形の場合、その称呼には「カエル」と付されています。また子供用の絵本で王様がかぶっているような王冠の図形には、「おうかん」「クラウン」の称呼が付されています。
なお図形商標の場合、全ての図形に称呼が付されているとはかぎりません。例えば三菱商事株式会社の商標として有名なひし形を3つ組み合わせた図形には称呼が付されていません。また花王株式会社の月に目と口が描かれた図形にも称呼は付されていません。一般的に幾何学的な図形や物を擬人化した図形、複数の要素を盛り込んだ図形など、一つの名詞で表現できないような商標には称呼が付されない傾向にあるようです。
多くの文字数で構成される商標の場合
ここまで読んで気が付いた方も多いと思いますが、称呼というのは一つの商標に一つとは限りません。 同じ文字に複数の称呼が付される商標もありますし、また商標の文字数が多い場合は途中で分断されて複数の称呼がつく事もあります。
例えば商標が「スター・チャンネル マルチプレックス」の場合、その称呼には一連で称呼した場合の「スターチャンネルマルチプレックス」の他に途中で分断された称呼である「スターチャンネル」「マルチプレックス」の称呼も付されています。
特許庁の参考情報というのもあくまで参考で参考情報に書かれている称呼がその商標の全称呼とは限りませんですから自身で称呼類似を調べる際は商標から看守され得る全ての称呼につき調べておく必要があります。ですが実際には難しいので、希望する商標の称呼を確実に調べるのであれば、専門家に依頼するのが一番でしょう。
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