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商標の三大機能②

消費者の購買意識の中で商標が果たす役割は大きいところです。例えば商品やサービスを選択しようとするときに、見慣れたロゴやマークがあると、それだけで商品やサービスがどのようなものか、これを目安にしてその中身や品質を判断することができます。

 

また、コカコーラやヤクルトのボトルのように、その形状自体がブランドイメージを形成している場合もあります。

これらのロゴやマーク、形状といった商標は「商品の顔」「物言わぬセールスマン」と称されることもあるところです。このように商品やサービスを識別させるのに役立つ商標ですが、その機能は、主に以下の三つに分けることができます。これを「商標の三大機能」といいます。

 

出所表示機能

まず一つ目は、商品やサービスの出所を表示する「出所表示機能」です。同一の商標が付けられた商品やサービスは、常に一定の生産者、販売者又は提供者によるものであることを示しているのです。

消費者は、商品やサービスに付けられた商標を認識することによって、商品やサービスを選択し、手に入れようとします。慣れ親しんだブランド、お気に入りのブランドであることが商標によって一目瞭然になるのです。商品やサービスを提供する者にとっても、常に同じ商標を使うことによってその商品やサービスを他社のものと区別することができるようになっているのです。

 

品質保証機能

次に、商品やサービスの質を保証する「品質保証機能」があります。同一の商標が付けられた商品やサービスには、常に一定の品質が備えられているであろうという安心感があります。これは老舗ブランドの商品やサービスで顕著な機能であり、このロゴ(商標)がある商品ならこれぐらいだろう、このマーク(商標)があるなら安心という感覚が生まれます。例えば、同じ品質・同じ価格の商品があった場合、何も書かれていない裸のパッケージの商品よりも、見慣れたマーク(商標)が付いた商品を選ぶことでしょう。

 

商品やサービスを提供する者にとっても、同一の商標の下で一定の品質を保った商品やサービスを提供し続けることによって、ブランドイメージを作り上げることができるのです。これに成功すると消費者側では、商品やサービスに付けられている商標を見ただけで、それがどのような品質の商品かまたはどのような質のサービスなのかがすぐに分かるようになります。すなわち商標によって品質が保証され、その商品を購入したり、サービスの提供を受けることの動機付けがなされるのです。

 

宣伝広告機能

そして、商標には商品やサービスを広告する「広告機能」もあります。商標を広告に使用することによって、それが自社の商品やサービスであることを消費者に伝えるとともに、購買・利用を惹起させる機能があるです。テレビや新聞、WEBなどで商標を付けた商品やサービスを宣伝・広告することは、既存顧客に対してはその信用・信頼を深く印象付けることになりますし、今までに購買・利用ない消費者に対してもそのイメージを深く印象付けることによって購買意欲を持たせることができるようになります。

 

また、平成27年4月からは新しいタイプの商標として、動きや音声からなる商標も登録できるようになりました。例えば、大正製薬のCMでおなじみの「ファイトーイッパーツ」の掛け声も新たに商標として登録されました。この掛け声は大正製薬の商品を聴覚から想起させることに成功し、強力な広告機能を有しています。今後、企業の広告において商標が果たす役割はますます大きくなっていくものと思われます。

 

なお商標の三大機能は、すぐにその効果を発揮するものではなく、その使用頻度に比例して増大していきます。一度ロゴやマークを決めたらそれを簡単に変えることはせずに、長年にわたって使用して認知度を上げ、商品やサービスと一緒にイメージを作り上げていくことが重要になります。

 

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