政党名の商標登録
政治ニュースや選挙の際よく耳にするのが○○党という政党名です。この政党名も実は商標登録する事ができます。今回は政党名の商標登録についてお話していきます。
政党名の指定について
まず政党名を商標登録する際、はじめに考えるべきは「どのような商品・サービス」を指定して商標を登録するかという事です。これを考える点でポイントなるのは政党という団体がどのような活動をしているかです。
政党というのは政治団体でやや特殊なイメージがありますが、政党内では政党運営のための経理などの事務作業をはじめ一般の会社と変わりない仕事もあります。
ただ消費者(有権者)に向けたサービスとしては、出版物の発売やセミナーの開催などをしているケースもあります。これを踏まえると、政党名を商標登録する際に指定すべき商品・サービスは「印刷物」や「セミナーの開催」「知識の教授」等という事になるでしょう。実際の政党名の登録商標をみてもこれらの商品・サービスを指定しているケースがほとんどです。
なお政党名を商標登録するのだから「政治活動」という指定商品があれば良い様に思われますが、商標の商品名・サービス名のリストには「政治活動」という項目はありません。これは政治活動それ自体は独立して商取引の対象となるものではない(商標法上の商品には該当しない)と判断されているためであると考えられます。
政党名を商標登録した実例
では数ある政党のうちどれくらいの政党が商標登録をしているのでしょうか。
今回は2012年の選挙で候補者を擁立した政党について特許庁のホームページで調べてみました。
その結果、自民党・社民党・みんなの党・共産党・日本未来の党・国民新党は政党名の登録商標を持っていないことがわかります。
民主党は「民主党」の文字商標とシンボルマークの図形商標の2件を所有しています。公明党は「公明党」の文字商標とシンボルマークの図形商標の他、「公明」「公明新聞」「KOMEI」等24件の商標登録をしています。新党日本は「新党日本」「Love-nippon.com」等3件の商標登録をしています。
幸福実現党は支持母体と思われる団体名義で「幸福実現党」の文字商標と文字と図形を組み合わせた商標の2件の商標登録をしています。
みどりの風は所属議員の名前で政党名の商標登録出願がなされており現在審査中です。日本維新の会は日本維新の会自身で商標出願した形跡はありません。ただドクター中松こと中松義郎氏が「日本維新の会」の文字を商標登録出願していますが、これは拒絶査定を受け拒絶査定不服審判をしているところです。