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中国の企業がなんと「OKAYAMA」を商標登録に!

沈静化するどころか、ますます先鋭化する気配さえ見せている中国による日本地名の商標登録問題

 

このたびは、中国企業が「OKAYAMA」を商標登録し、岡山県側がそれに異議申立てをした結果が報じられました。

 

日本を凌駕する世界の経済大国に成長したはずの中国が、なぜいまだに日本との商標問題を起こしてしまうのでしょうか?中国における知的財産権の認識に迫ってみましょう。

ローマ字表記なら商標登録となりやすい?

2016年に中国の企業が「OKAYAMA」を商標登録していたことが発覚し、関係者に大きな衝撃を与えました。今後、日本企業が岡山の名産品を中国に輸出する際、包装材などの表記によっては中国の商標法違反となるリスクが高まったからです。今回の件が深刻なのは、「岡山」という漢字ではなく「OKAYAMA」というローマ字表記が商標登録されたという点にあります。

 

商標法には「すでに一般に公知となった地名は商標登録できない」という決まりがあり、これは日中共に変わりはありません。「岡山」と漢字で表記すれば、これが日本の地名であることは多くの中国人が認識しており「公知の外国地名」として商標の要件外とみなされそうですが、どうも中国商標庁の認識には甘さがあるようで、漢字の「岡山」はすでに別の中国企業により商標登録されているのです。

 

ただし、漢字の「岡山」は日本側の異議申立てが通る可能性を考えたのか今度はローマ字で出願・登録したというのがこれまでの経緯です。「岡山」の中国語読みは「GANG SHAN」であり、「OKAYAMA」では一般の中国人には、これが日本の「岡山」という地名であるという認識ができないことから「公知の外国地名にあらず」とのことで商標登録が認められた可能性が高いのです。

「青森」でも同様の問題が

似たような問題は「青森」でも起きており、これは漢字の「青森」が日本側の取消し請求が認められたこのですが、その後に今度は「AOMORI」が商標登録され、青森県側がて再度取消し請求を行っているという事案です。

 

「OKAYAMA」の商標問題とほとんど同じ背景を持っており、このようなことが続き、もし日本の地名の大半がローマ字で商標登録されてしまう事態となれば、日本側にとってビジネス上由々しき問題とならざるを得ないでしょう。

 

「『漢字がダメならローマ字ならいいだろう』など中国企業の職業的倫理観はどうなっているのか?」と、日本人がいくら憤ったところで、中国の行政当局が認可していまった以上、もはやどうすることもできません。そこで岡山県の行政当局は中国の商標庁に商標登録取消し請求をしました。

 

もしこれが棄却される事態となれば「日本の地名はローマ字表記ならOK」という中国での「常識」が生まれることとなり、日本にとっては由々しき問題として大きな禍根を残すことになります。

今後の展開に注目が集まる

そして、2018年2月に中国商標庁は日本の岡山県から出されていた商標登録取消し請求がいずれも認められ、中国企業の「OKAYAMA」は登録不許可となりました。

 

仮に異議申立てが棄却されていれば、日本の各地方自治体が一致協力して地元の地名を中国で商標出願するしか方法はないと悲観的見方をする向きもありましたが、日本側としては中国の知財行政府の「理性」によって、今後の不安がひとまず解消されたとほっとしているのが実情でしょう。

 

「OKAYAMA」のローマ字表記中国人にとっては漢字の「岡山」とは結びつきませんが、今回は日本側の主張が通ったことで、今後同様な商標出願に歯止めがかけられたともいえます。

 

しかしながら、漢字の「岡山」は別の中国企業がすでに中国で商標登録していることもあり、岡山県側はこれについても異議申立てを行う方針を公表しており、岡山県の意義が認められれば、日本の地名と中国での商標登録の問題が解決に向かう可能性があります。

 

グローバル化の時代、法の抜け道をくぐるようなビジネスに中国側がどう対処するのか、中国商標庁の良識に望みを託したいものです。「岡山」は、あくまで日本国「中国地方の岡山」であって、「中華人民共和国の岡山」ではないのですから。

 

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