役務(役務商標)とサービスマークの関係
突然ですが、みなさんは以下の文房具を何と呼んでいますか。
多くの方が「ホチキス」と呼んでいることと思います。人によっては、「ホッチキス」と呼ぶかもしれません。
でも実はこれ、正式名称ではないのです。
本来の正式名称は「ステープラー」。英語です。そのステープラーにイトーキ社が「ホッチキス」という商標を付けて販売したところ、正式名称よりも商標のほうが有名になってしまい、多くの人が商標を商品名のように使うようになりました。商品名のように使用されるようになった「ホッチキス」は、商標の三大機能を失い、一般的名称として意識されるようになりました。これを、商標の普通名称化といいます。
ホッチキスの他にも、商標が普通名称になってしまった例はたくさんあります。
例)
「エスカレーター」…オーチス・エレベーター社の登録商標/商品名「階段式昇降機」
「オセロ」…オセロ社の登録商標/商品名「リバーシ」
「ポケットベル」…NTTドコモの登録商標/商品名「無線呼出用携帯受信機」
「正露丸」…大幸製薬の登録商標
「宅急便」…クロネコヤマトの登録商標
「魔法瓶」…日本電球の登録商標
「ウォークマン」…SONYの登録商標
「ホームシアター」…富士通ゼネラルの登録商標
「メカトロニクス」…安川電機の登録商標
商標が有名になるということは、とても嬉しいことです。しかし、あまりにも多くの人が、その商標を普通名称のように使うと、商標権の効力が及ばなくなってしまいます。商標権の効力がなくなった商標はブランド価値がなくなり、商標権者にとって大きな損害となります。
商標の普通名称化を防ぐために、以下のような対策がおこなわれています。
①商標に®を付ける
②商標の登録番号を記載する
③自分の商標が普通名称のように使用されていた場合、ただちに中止を申し出る
誰もが有名になることを望みますが、有名になりすぎるとかえって大きな損害を被ることもあるのです。登録商標を受けていれば安心、という考えは間違いです。登録商標を受けたからといって安心せず、自分の手でしっかりと守りましょう。