ラコステとクロコダイルの類似商標問題
ワニのマークで広く知られている「ラコステ」はフランスの衣料品メーカーです。現在でも世界的に有名なこのブランドは、ポロシャツの代名詞として多くの人に好かれています。しかしラコステの他にも、ワニのロゴを特徴とするメーカーに「クロコダイル」があります。両社ともに衣料品を扱っているため商標問題に発展しました。
商標権侵害の訴訟に至る経緯
クロコダイルというメーカーについては、ラコステよりも遅くに登場したにもかかわらず、若者に対して一定の支持を得ているブランドとして成り立っています。また決して偽物ではないという存在感を持っているため、長い期間、商標の類似を指摘されることはありませんでした。けれども近年では知的財産権について、国際的な条約が結ばれるなどの動きを見せたため、ついにラコステ側がクロコダイルに対して商標権の侵害を訴えました。訴訟による結論はクロコダイルがラコステの商標権を侵害したことは事実であるとして、2006年の4月からロゴを変更することで和解しました。
クロコダイルはラコステよりも20年ほど後の1952年に創設されたメーカーです。おそらく当初から類似を意識して製造・販売を行っていたことがロゴのデザインから容易に推測できます。そのためロゴの知的財産権を巡る訴訟となることは、当然のことであると思います。また両社は長い間、製造と販売を続けてきましたが、商標権の侵害問題として取り上げられたのは最近の出来事です。これはクロコダイルが高い知名度を獲得していたことや、市場が異なることが理由であると考えられます。
訴訟を受けた際の損失について
クロコダイルとラコステの商標問題は、一般的な商品の知的財産権に関する紛争とは異なり、商標権による問題化が非常に遅いことを特徴としています。
このようにブランド力が定着した後で訴訟された際、知名度と共にユーザーからの信頼を失うことにもなります。例えそれが意図せずに類似した場合でも同じように商標権侵害として申告されます。まずは自分が所持している商品や役務(サービス)が商標登録されているかを見直しましょう。