地域ブランドと夕張メロンの商標登録について
「夕張メロン」は、図形と文字の組み合わせによって商標登録された地域ブランドです。しかし、「夕張メロン」の商標は「地域団体商標」制度が行われる前の登録された商標でありながら、地域名を組み合わせて登録した識別力をもつ商標であることを特徴としています。今では「地域団体商標」制度がはじまったことにより、地域ブランドは文字のみで商標登録することが容易なものとなりましたが、地域ブランドの「夕張メロン」の場合では、通常の商標登録基準で登録することができたのです。
夕張メロンが商標登録されるまでの経緯
商標法では文字やデザインによる商標登録が認められますので、「夕張メロン」のシールが認められていました。
しかし「夕張メロン」は文字の商標登録申請において、その文字が一般名称と地域名称で組み合わせたものとなっていたので拒絶査定が下されたそうです。これは「地域団体商標」制度がはじまった現在では、農業協同組合などが申請者となることを要件として登録することがスムーズとなりましたが、「夕張メロン」が申請された当時は、商標法での登録が大変であったようです。
そこで「南部せんべい」のような例を取り上げて使用による証拠やデータを集め、平成5年に標準文字で商標登録できたとされています。また「夕張メロン」では、ゴシック体なども登録することによって類似商品に対抗するようにしていたそうです。
類似商品による商標権の侵害被害とは
この全国で有名となった「夕張メロン」ブランドは、加工品を中心として商標権が侵害され悩まされてきました。たとえば「夕張メロン〇〇」といった加工品が多く登場するようになり、「夕張メロン」の信頼を低下させる質の悪い商品が品質への不安を招くというようになっていたそうです。これらの商品の存在は非常に迷惑なものであるため、商標権の侵害として対抗してきたとされています。
商標登録では同じ名称の商品でも字体を変えたり、配色や図形を工夫することによって申請できることがあります。「夕張メロン」では、標準文字などが登録できたことが類似品に対抗できる効力を持っていたことを特徴としていたのです。