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新シリーズ発売か? 任天堂が「N64」を商標出願

商標は、特許と同様に出願と登録が公開されることから、公報を閲覧することで、企業の有力な最新情報足り得るのです。

 

さて今回は、世界のゲーム産業の最高峰に位置する「任天堂」の商標出願公報から新しいゲーム機の発売が噂されているとの情報について、その真偽の程を追求してみましょう。

任天堂ゲーム機の歴史

2018年5月に特許庁が公開した商標公報により、任天堂が同年4月26日「N64」という呼称を文字商標として出願していたことが分かりました。この事実が報道されると、ゲームファンから一斉に「いよいよ『ニンテンドー64ミニ』の発売か?」という期待混じりの声が高まったのです。

 

任天堂本社にはマスコミやファンから多くの取材や質問が寄せられたようです。対する任天堂側は「ノーコメント」を貫いていますが、新商品の発売はすでに既成事実として語られる事態になっています。

 

念のため、ゲームに詳しくない方のために解説すると、「NINTENDO64」とは1996年に任天堂が発売し、世界中で大ヒットを記録した家庭用ゲーム機のことです。任天堂は1983年に日本国内で同社初の家庭用ゲーム機として「ファミリーコンピュータ」と同ソフトを発売し、大ブームを巻き起こしました。

 

そして1990年にはファミコンの後続機としてより画質と性能をグレードアップした「スーパーファミコン」(略称スーファミ)が発売され、国内外で大ヒットを記録したのです。

「NINTENDO」が世界的ゲームブランドに

任天堂のゲームは日本では「ファミコン」の略称で有名になったのですが、海外では「NIintendo Entertainment System」(NES)として広まったことから、同ゲーム機とソフトは「NINTENDO(ニンテンドー)」の呼称で外国のファンに知られるようになりました。

 

これにより海外では、「ニンテンドー」は家庭用ゲーム機を指す名称ともなったのです。任天堂にとって、自社名が世界的に普及することは、嬉しい誤算であったと思われます。

 

そこで任天堂は日本国内で親しまれていた「ファミコン」の愛称をあえて止め、新製品に「ニンテンドー」の名を冠する決断を選択したのです。家庭用ゲームのハードとソフトの市場を一気に世界中に拡大し、同時に「ニンテンドー」の社名を世界的ブランドにするという将来を見据えた戦略だっとといえるでしょう。

 

そしてその記念すべき新製品が1996年に発売された「ニンテンドー64」だったのです。高品質の「ニンテンドー64」は多くのファンの支持を獲得し、任天堂の思惑通り内外で「任天堂」の社名は不動の存在となりました。

「N64」の商標出願で高まるファンの期待感

家庭用ゲームの市場は、ソニーの「プレイステーション」やマイクロソフトの「Xボックス」の参入もあり、現在は三つ巴の激しい競争が繰り広げられています。

 

そのような状況下で任天堂は家庭用据置型ゲーム機として「ゲームキューブ」や「Wiiシリーズ」などのヒット商品を生み出し、往年の名機を懐かしむファンのために、2016年に「ファミコンミニ」、2017年に「スーファミミニ」という手のひらサイズでゲーム機で懐かしのゲームソフトを楽しめる「ニンテンドー・クラシックミニ・シリーズ」を発売し、大ヒットさせたのです。

 

世界中のゲームファンからは「『ニンテンドー64ミニ』の発売はいつか?」という期待が寄せられた矢先の「N64」の商標出願だった、というのがこれまでのおおまかな経緯です。大方の予想どおり、「ニンテンドー64ミニ」が2018年中に発売されることはまず間違いないでしょう。

 

今を去ること1889年に京都市の花札製造会社として開業した任天堂が、1世紀以上経って世界を席巻する大企業に成長し、新商品待ち望むファンが海外に多くにいることなど、当時の誰が予想できたでしょうか?商標の出願公報に載った「N64」というたった3文字には、日本が生んだ世界の大企業の足跡が刻まれているように思えてなりません。

 

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