LADY GAGAの商標登録における特許庁の拒絶理由
最近では芸能人や著名人の名前が商標登録されることも多く、商標権利者と本人の間で頻繁にトラブルが起きています。芸能人の商標登録においては、本人の承諾もなく所属事務所により申請をされている点が問題となっています。
アーティスト名によるCDの商標登録
アーティスト名も同じように、商標登録について問題視されることがありました。アメリカ出身の人気アーティストである「LADY GAGA」(レディー・ガガ)は、商標登録出願においてその名称での登録を拒絶されています。特許庁および裁判所の見解では、LADY GAGAという商標はCDの商品に使われた場合に出所識別能力がないとしているようです。
上記の考えに少し疑問に感じるかもしれませんが、ここで言う出所とは著作者本人ではなくレコード会社などを指しています。CDという商品の性質上、レコードした実演の複製物として捉えられるため、商標権を獲得したところで商品の質を表すだけの商標になるといった認識です。
これに対しては、LADY GAGAの名称そのものに自他との識別能力があるという意見もありますが、そもそも商標とは指定商品・指定役務の識別標識であるため争点とすらなりえません。そのため審決取消請求では、裁判所が請求棄却の判決を下しています。
CD及びレコードの権利保護について
LADY GAGA登録商標出願には、レコード会社側に権利を保護する目的があったと思われます。確かに類似商品や偽物の販売による損失が考えらなくはありません。けれども、実際には著作権法や不正競争防止法によって、それらの商品は排除されることとなります。
また、CDのジャケットや曲名については、商標登録を行うことで商品の混同を防ぐことが可能です。その際には関連グッズの販売などに応じて、複数の商標区分への出願が必要とされます。目的と意図が明確であるならば、それに合わせた権利保護の考え方があります。知的財産権の中でも商標権においては、文字・ロゴ(図形)・結合(文字と図形)・音声など様々な種類があり、多くの分野で応用が可能です。
商標登録の方法や出願先の区分については専門の弁理士、または信頼できる特許事務所に相談をしましょう。