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ホログラム商標の実際

擬似的立体可動映像たるホログラム

2014年5月に施行された商標法の改正によって、長年続いてきた商標の概念が大きく変化することとなりました。

それまで文字や記号・図形中心だった商標に、音や色彩という表現方法が追認されることとなり、消費者への訴求力に多大な影響力を持つ各企業の「トレードマーク」に、これら新商標の保護という全く新しい市場戦略が加わることにもなったわけです。

 

そして新らしく加わった商標の中でもとりわけ注目されたものが「ホログラム商標」です。

「ホログラム」とは、端的にいうと「3次元的記録画像」のことで、2次元媒体に特殊技術を施すことによって立体的に表現され、また角度によって画像が変化して見える光学現象のことです。つまり「擬似的な立体可動映像」ともいえる現代的な表現映像でもあります。

 

ホログラム画像の進歩の歴史

マスコット人形や看板など、立体的な広告物に関しては、1996年からの法改正によって「立体商標」としてすでに商標化が実現していましたが、「ホログラム商標」は現実に存在する立体物ではなく、あくまでも「立体的または動いて見える特殊画像」という点に大きな相違点があります。すなわち「物体そのもの」ではなく「そのように見える画像」が商標として登録可能となったわけで、色彩や音よりもむしろ商標という工業所有権の概念の領域が、この「ホログラム商標」によって一気に広がったといってもよいでしょう。

 

ホログラム自体が発明されたのは1947年と以外に古い歴史を持っています。しかしながら、理論上は確立されていても、現実に一般人が見ることのできるホログラム画像を制作する技術開発に年数を要し、実際の製品開発はレーザーが発明された1960年代で、この時期以降に一気に製品開発が進みました。

 

初期のホログラムはレーザー光線を照射した反対側に表れる透過性のものだったため、主にイベントなどでの観賞用としての用途に限られていました。1970年代に制作されたSF映画「スター・ウォーズ」の第1作「エピソードⅣ」に、登場人物がホログラム画像として映し出される人物の画像伝言を聞く場面が出てきます。この当時はまだホログラム画像(動画)は、近未来の技術だったのです。

 

そしてその後、1970年代後半に表面から白色光を照射して見れる技術が開発され、これは画面が虹色に輝いて見えることから「レインボーホログラム」と命名されました。このレインボーホログラムは、素人での制作が困難なことから、1980年代より紙幣やクレジットカードに盗難防止用マークとして採用されているのはおなじみです。

 

ホログラム商標の今後は

以上のような経緯にて知的財産として出願登録が認可されることとなった「ホログラム商標」ですが、2015年のデータでは、音・色彩・位置・動きなど新商標全体の1割にも満たない出願件数となっており、一般企業の関心はまだ低いと言わざるを得ません。これは、ホログラム画像が一般的商品として広く消費者へ訴求できる存在となるにはまだ時間がかかるからといえるのかもしれません。

 

あるいは、実際に登録商標となっても、それを大量生産して市場に流通できるだけのコストパフォーマンスが実現に至っていないと多くの企業が判断しているせいかもしれません。実際に特許庁へ登録されたホログラム商標を見ても、クレジットカード会社や写真機材メーカーの偽造防止マークによるものが大半であることから、現時点でのホログラム商標は、技術標章用の工業所有権となっているようです。

 

しかしながら、3D映画・テレビなど立体画像の技術革新に伴うホログラム技術の向上は今後も急成長すると予想されることから、近い将来、低コストで安価なホログラム画像の制作が実現となれば、ホログラム商標の出願も一気呵成に増加する可能を秘めているという見方もできるでしょう。

 

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