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特許庁が発行した「地域団体商標ガイドブック」とは?

2005年に成立した改正商標法により翌年2006年4月からスタートした「地域団体商標制度」は、それまで登録商標の要件外とされていた「地域名+ブランド名」を、一定の条件下で認可するという比較的新しいカテゴリーの商標です。

 

これまで多種多様な地域ブランドが商標に登録されていますが、特許庁では同制度の普及拡大を目指し、このたび「地域団体商標ガイドブック2018」を作成し公表しました。今回のその内容を吟味してみましょう。

地域団体商標制度の効果

地域団体商標」とは、簡単にいえば日本各地に散在している名産物や特産物を保護し、その名称を特許庁に登録することでいわゆる「地域ブランド」を地元が独占使用権と排他権を有することを認めるという制度です。ただし、他の商標のように誰でも出願・登録できるわけではなく、出願者はその地域の事業協同組合など公共団体に限られています。

 

いずれにせよ、これまでは地元の名産品を地元とは何の関わりもない他の地域の業者が自社商品にその名称を付けて販売することを防ぐ手立てがなかったのですが、地域団体商標として登録されることによって、違反者は商標法で罰せられることになったわけです。このように、地域ブランドが、地域団体商標の登録によって保護・権利独占化されることは地域の活性化にもつながり、魅力ある地域づくりの一翼を担うという枠割を果たしているのです。

 

地域団体商標の施行からすでに10年以上が経過し、日本の各地域の名産品が地域団体商標として登録されており、現在も出願が相次いでいます。これまで粗悪な類似商品の蔓延に悩まされてきた地元の人々も「おらが町の名産品」が地域団体商標となったことと、折からの「ふるさと納税」ブームによって地元の名産品を売り込むことに成功した地域もあり、地域団体商標は一定の成果を挙げているようです。

ガイドブックの内容

この地域団体商標をさらに一般に普及・浸透させたいとの目的で、特許庁はこのたび「地域団体商標ガイドブック2018」を編纂し公表しています。同ガイドブックの内容は「地域団体商標の内容説明」「同制度についてのQ&A」「同制度の活用事例」「地理的表示(GI)保護制度について」「同制度における特許庁の支援制度」「税関制度の紹介」「地域団体商標マーク」などの項目が続き、日本全国の地域団体商標がひと目で分かるマップが全国と地域別に区分して掲載されています。

 

そして最後に、2018年1月末時点で登録済の「地域団体商標」全621件が「全23類の商品区分別」「産地別」「地域別」「五十音順」に網羅されています。これらはそれぞれの商標名と共に登録後の地元での効果などが社員付で紹介されており、出願を検討中の団体担当者にビジュアルに伝わるように構成されています。それでは同ガイドブックに記載されている地域団体商標の一部と登録後に起きた現象などを以下にピックアップしてみましょう。

 

・十勝川西長いも(北海道):地域団体商標とGIとの適切な使い分け奏効し、効率的な知財の保護に成功。

・能登丼(石川県):登録が成就したことで地元に一体感が生れ、県外への積極的なPRにより知名度がアップ。

・豊岡鞄(兵庫県):登録後は地元での後継者育成に力を注ぎ、伝統的技能の継承に大きな効果。

・今治タオル(愛媛県):登録後は品質管理を徹底することで全国的に知名度がアップ。ブランド化に成功し商品単価も5割増に。海外展開も成功に導く。

・桜島小みかん(鹿児島県):南部九州産みかんとしてのブランドを確立。加工品の県外への販路開拓に成功。

 

以上、ほんの一部分だけの成果を見ても、地域団体商標が登録後に地元で大きな実績を挙げていることが分かります。

 

もちろん地元の方々の努力なしにはあり得ない成功例ですが、それまで地方に埋もれていた地域の名産品が地域団体商標によって輝かしいスポットライトに照らされ、地域新興の大きな原動力になっていることは否めません。今回のガイドブック発刊を契機にして、さらに多くの地域団体商標が誕生することを願いたいものです。

 

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