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天津名物の肉まん「狗不理」本家が商標権を奪還

中国の天津名物として知られる肉まん「狗不理(ゴウブリ)」は日本において商標問題を抱えていました。日本で「狗不理」の商標権を獲得しているダイエーと中国企業との権利争いについて説明します。

 

日本企業であるダイエーはかなり以前から「狗不理」の商標登録を行い、その権利を現在に至るまで保持し続けていました。しかし最近になり、天津の狗不理集団が日本での商標問題として、商標権の奪還に注力するようになりました。

商標を無断登録による問題

そもそも事の発端は、1980年代に「天津狗不理包子飲食集団公司(現・狗不理集団)」がダイエーと協力関係を結び、日本国内に狗不理の支店を設けたことが始まりです。当然、日本でも商標登録の必要があるとして、ダイエー名義のまま無断で商標登録をしたことが問題になりました。

 

そこでダイエー側としては、無条件で狗不理の商標権を譲渡する提案をしていますが、狗不理集団はこれを拒否しています。理由は"譲渡"という手段が、ダイエーを商標の権利所持者として認めることになる点が挙げられています。さらに狗不理集団はダイエーに対して商標登録の抹消を要求。結果としてダイエーが登録した商標は放棄され、新たに狗不理集団が商標登録手続きを行うことで決着となりました。

譲渡における意図と商標登録の注意点

この事件の特徴は、当初の目的であった商標登録による権利の保護が争点では権利の独占に変わっていることです。また、無条件の譲渡であっても権利所有者の立場を譲らないことから、この時点でダイエーが「狗不理」の価値を評価して、日本における権利の独占を狙っていたと思われます。しかし商標登録が無断で行われていたことが問題となり、結局は権利を手放す形になってしまいました。

 

商標登録では、このように審査時の状況やユーザーからの識別力によって、所有権を見直される場合があります。この件に限らず、提携している企業などの関連商標を扱う際には、商標法に基づいて両者の同意を確かめる必要があります。万が一にも商標登録審査に漏れが出ないように、実績があり信頼できる特許事務所で相談することをお勧めします。

 

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