16,800円から!商標登録のご依頼お受けします。

お問い合わせはこちらから

「三河一色えびせんべい」が地域団体商標へ登録される

2006年4月からスタートした「地域団体商標制度」は、当初出願人が業協同組合など一部に限定されていました。発足2年後の2014年8月には各地の商工会・商工会議所・NPO法人などの非営利団体などにも拡張されたことで、同制度を町おこしの起爆剤にしようという気運が高まり、各地で競って地元ブランドの出願が相次いでいます。

 

2018年2月には愛知県の一色町商工会が出願していた「三河一色えびせんべい」の登録査定が決定しました。出願から査定にいたる道のりを追ってみましょう。

愛知県では初の菓子類の地域団体商標

愛知県には、現在以下の地域団体商標が登録されています。

  • 三州瓦
  • 常滑焼
  • 有松鳴海絞
  • 三河木綿
  • 豊橋筆
  • 名古屋仏壇
  • 一色産うなぎ
  • 蒲郡みかん
  • 三河仏壇
  • 西尾の抹茶
  • 祖父江ぎんなん
  • 豊橋うずら
  • 豊川いなり寿司

上記のように全国的に有名な特産物ばかりですが、不思議なことに「菓子類」のブランド品は未登録でした。そこで同県の三河地区にある西尾市の「一色町商工会」では地元の名産菓子として名高い「三河一色えびせんべい」を全国ブランドにするべく、地域団体商標を出願しましたが、このたび登録査定が決定し、めでたく地域団体商標登録されることとなりました。

 

地域団体商標も、通常の商標と同じく、特許庁から出願人への登録査定文書が郵便にて送達された日から30日以内に登録料を納入し手続きを済ませれば、「三河一色えびせんべい」は晴れて正式に「地域団体商標登録商品」として告示されることとなります。

愛知県各地にもよい刺激が

なお、2018年1月から「地域団体商標マーク」が使用可能となり、今後一般消費者がこのマークを目印に「三河一色えびせんべい」がいわば「国のお墨付きを得たブランド」として認識することになります。そして、えびせんべいの美味しさを堪能すると同時に、観光土産などでの販売促進につながり、ブランドに付いている「三河一色」という地名が全国に広まっていくことが期待されています。

 

「地域団体商標制度」の発足以前の商標法では、地域名と商品名を組み合わせた名称は登録商標の要件外でしたが、特許庁が指定する非営利団体に限り「地域団体商標」として登録が可能となったことで、全国的に知名度が低かった地域名称が同登録商標の商品(サービス)の流通によって地名も各地方にアピールできるので、地元にとってはこれ以上にない地域活性化の要因ともなるわけです。

 

なお、中部経済産業局管内における商工会を出願人とする地域団体商標登録は初めてでもあり、愛知県内各地域の商工会メンバーにもよい刺激となることと思われます。

三河地方の知名度アップに

「中部地方」といわれる愛知県は文字通り日本の中央部に位置し、日本の歴史において重要な役割を果たしてきており、それは21世紀となった現在も変わりはありません。愛知県は政令指定都市である名古屋市を擁する西部の尾張地方と、トヨタ自動車本社で有名な豊田市がある三河地方に区分され、両地域は文化・風習・方言が異なるという独自の発展を遂げてきました。

 

尾張・名古屋に対する三河人たちの対抗心は強く、とかく尾張地方の後塵を拝することが多いこともあって、地元の名産品を全国にして三河地方の名を日本中に知らしめようという動きが活発になってきています。今回の地元商工会による「三河一色えびせんべい」の地域団体商標登録も、その一環ともいえそうです。

 

「えびせんべい」は日本各地名物がありますが、「アカシエビ」を主原料とする「三河一色えびせんべい」はすでに1世紀もの歴史を有しており、明治時代には高級菓子として知られていました。その後発案者の創意工夫によって現在の独特の味と風味を持った西尾市一色町産の銘菓として発展してきました。今回の「地域団体商標」登録を契機に、その名を全国に轟かせて欲しいものです。

 

→ 商標の豆知識 目次へ戻る

 

 

 

 

 

3年連続代理件数No.1。調査完了後お客様に費用を確認いただいた上で、正式に出願のお申込みを頂きます。まずはお気軽にお申し込みください。
商標登録、商標調査のご依頼はこちら。24時間受付中