岩手の方言「じぇじぇじぇ」を商標登録出願
NHKの連続ドラマ小説「あまちゃん」で全国的に有名となった方言「じぇじぇじぇ」は、ロケ地である岩手県の久慈市で使われている方言です。この方言を地元の老舗菓子店が商標登録出願を行いました。「じぇじぇじぇ」の単語は焼菓子につける商標として使用するようです
またこの菓子店では「じぇじぇじぇ」が岩手の方言であることから、地元のみで使用できるようにしたいと考えており、商標を独占的に使用することを目的としないと述べています。つまり地元以外の業者が商標を獲得して独占することを避けるため、前もって商標権を獲得しておくべきだと考えているのです。
方言は商標登録出来るのか
しかし方言の商標登録には審査が厳しいといった問題点があります。方言や普通名詞のように日常で使われている言葉が商標登録されることは、特定の権利者に独占されて今まで通り使えなくなる懸念があるためです。そのため、この菓子店による方言の商標登録はスムーズに進むとは限らないでしょう。
菓子店による「じぇじぇじぇ」の商標登録出願は、地元の方言が守られることを意図としていますが、まだ出願されて間もないため、商標登録されるか否かは分かりません。方言であるとはいえ、もしも権利者が移転するようなことがあれば、それは排他的な効力をもことになります。地域でさえ自由に使用できなくなる恐れもあります。
また、商標登録された方言が広い範囲の商品や役務において効力をもつと、従来に使用者がいなくても商標で制限されることにより何らかの障害を感じることとなるでしょう。
地域の方言を商標登録する必要性
NHKエンタープライズでは「じぇじぇじぇー!」のロゴを商標登録しています。そのことから方言である「じぇじぇじぇ」が商標登録されることによって様々な問題が発生するのではないかという声も耳にします。既に登録されている商標に対しては商標としての効力はあるのか判断が付きにくい部分でしょう。
反対に菓子店による商標登録出願は方言であるとしても問題がないといった意見もあります。商標権を獲得する目的が「独占」ではなく「保守」であるため、他の商標や使用の制限については干渉せずに外部の業者から地元の商品を守ることが理想と考えられます。
このように地域の名産物や方言・ブランドなどは他の企業や業者に権利を独占させないためにも、前もって商標登録することは常識的とされています。もしもTV番組やドラマで知名度が急激に上昇した商品がある場合には、地域の住民と協力して商標登録出願を考えてみましょう。