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テレビ朝日が「熱盛」を商標出願

新聞社や雑誌社・テレビ局などを総称して「マスコミ」と呼ばれます。もちろん「マス・コミュニケーション」の略語ですが、大規模な情報機関としてのマスコミには、正確な情報をいち早く大衆に伝達するという役割を担っています。

 

公共的側面が大きなマスコミですが、同時に民間企業である以上、時には商標を出願することがあります。このたび「テレビ朝日」が「熱盛」という単語を商標出願して話題となりました、今回はマスコミと商標について考察してみましょう。

ニュース番組から出た単語が流行語に

テレビ朝日系列で平日の22時台に全国ネットで生放送されている「報道ステーション」は、NHK以外の民放では最も権威の高いニュース番組といわれています。テレビ朝日はその名が示す通り「朝日新聞」の系列テレビ局だけに、この時間帯に「報道ステーション」を見る習慣がある家庭はかなりの数があると推察されます。多くのテレビ番組がバラエティ化する中で、国民の厳しい視線と的確な批評を代弁する同番組には格別の信頼を寄せている視聴者も少なくないでしょう。

 

しかしながら、ニュース番組とはいっても「見せる工夫」は必要です。固いニュースが続いた後の同番組の「スポーツコーナー」では、視聴者の目を惹き付けるキーワードとして「熱盛(アツモリ)」という単語を一種のキャッチワードとして使用しています。

 

あるスポーツの試合でのハイライトで、特に注目すべき場面に、この「熱盛(アツモリ)」という単語を効果音とともに挿入し、視聴者に注視をうながすというものでした。このアイデアは特に若者に受け、2017年にはネットスラングとなってSNSなどでさまざまなパロディーが流行するほどの社会現象を起こしています。

お固いイメージと遊び心のギャップが受ける

お固いイメージのあるニュース番組から、バラエティー番組的な流行語が生まれるとは誰も予想しておらず、それがかえってネットユーザーたちの恰好の「ネタアイテム」となったのかもしれません。2017年4月20日の同番組の通常のニュースが放送されているときに誤って突然「熱盛」もロゴが映り込んでしまい、キャスターがあわてて謝罪するという放送事故があり、同様の不祥事が同年8月24日にも起きたことが流行のきっかけにもなりました。

 

「熱盛」が挿入される際には大きな効果音が流れ雰囲気を盛り上げる演出となっているので、これが突然場違いな場面に流れるという、そのギャップが若者には面白おかしく感じられたようです。「熱盛」のロゴは、赤い極太ゴシック体の漢字で表現され、これを太線で囲みまるで判で押したように斜めに配置されています。そして「熱盛」の「盛」の下部に「アツモリ」というカタカナ文字が挿入されている、少し遊び心のあるロゴマークです。

加熱し過ぎたブームが商標出願の引き金に

この「熱盛」がネットを中心に話題になると、「熱盛ジェネレーター」という無料のネットツールが作られ、これを用いると自分なりの「パロディ熱盛」が作れるということでたちまち評判となり、一種の「二次創作」ともいえるネット上の「熱盛ブーム」が一気に熱く盛り上がり、まさに「熱盛の加熱現象」となったのです。

 

そしてこのたび、テレビ朝日が2017年9月26日付にて「熱盛」のロゴマークを商標出願していたことが判明したのです。テレビ朝日側の見解としては「無前で営利目的の商品化されることを防ぐため」とのことです。すなわち、ネットの「熱盛ブーム」に便乗した業者による商行為を防止することが商標出願の趣意であり、テレビ朝日が番組以外で「熱盛」を利用して商行為を行うことはないということのようです。

 

テレビ朝日による商標出願が報道されると、「熱盛ジェネレーター」の作者は同ツールのネット公開を中断し、「熱盛」の二次使用は法律違反となる可能性を呼びかけているようです。せっかく盛り上り番組の宣伝効果ともなっていた「熱盛ブーム」がこれで一気に下火になる可能性もあります。テレビ番組の演出をきっかけとしたブームも、商標の模倣行為を防ぐという大義名分がある以上、これは仕方ないことなのかもしれません。

 

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