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Apple社のiWacth商標権

2015年4月にApple社の「Apple Watch」が日本でも発売されました。多くの人はなぜ名称が「iWatch」でなかったのか疑問に思ったことでしょう。これには、日本国内だけでなく国際的な知的財産権(商標権)の問題が深く関係しています。

「iWatch」の商品名が変更された経緯

Apple社は過去に、iPadの商標登録において各国で訴訟を受けたことがあります。また、商標登録出願で特許庁からの拒絶通知や各国の法人から警告などもあり、商標登録に苦労したという経緯があります。iWatchの商標登録でも同様に、米国や日本の他に、中国やヨーロッパ諸国でも商標出願が認められないという事態が続きました。

 

さらに、スイスの時計メーカーであるSwatch社が、iWatchの商標登録に対して商品名が類似することを理由に反発しています。Swatch社は以前から既に「iSwatch」という商品名を商標登録しています。これがiWatchと混同する可能性があるため、Apple社に警告を発しているのです。

 

このように、いくつかの理由で商標登録が困難になってしまったため、商品名を「iWatch」ではなく「Apple Watch」に変更したのではないでしょうか。Apple社の資金力を考えれば、ライセンス契約や和解による権利譲渡もあり得るのではないかと思いますが、これにかかる費用は各国で計り知れません。

商標の登録区分とハウスマークの活用について

Apple社は日本でも「iWatch」を商標登録出願しています。出願の区分は第9類(コンピューター機器等)と第14類(腕時計)ですが、この際に第14類に対して拒絶理由通知が出されています。おそらく先ほど述べたiSwatchとの類似性が原因ではないかと思います。

 

欧州でも法人企業が第9類で欧州共同体商標意匠庁(OHIM)を経由して、iWatchの商標権を既に獲得しているため、Apple社は新たに商標登録を行うことが出来ませんでした。「iWatch」での商標出願を進めていたことを見ると、Apple社は苦戦を強いられて商品名を「Apple Watch」に切り替えたのだと考えられます。

 

このように企業名+普通名詞を組合わせる商品名は、商標登録に確実性を持たせる効果があります。長期に渡り多種多様な商品を展開する上で有効な手段の一つです。企業名と普通名詞を合わせた商品名を商標登録出願するには、まずハウスマークの商標登録について確認しましょう。

 

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