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WIPO(世界知的所有権機関)の実態と課題

WIPO(世界知的所有権機関)の実態と課

経済のグローバル化が急速に進展する国際社会においては、FTA(自由貿易協定)・ EPA(経済連携協定)・ TPPA(環太平洋パートナーシップ協定)」など、各国間における貿易の自由化が加速してきています。世界中の国々同士の「ヒト・モノ・カネ」の流れが関税なしで自由に往来できる未来も近いのかもしれません。

 

また、物品だけでなく特許や商標などの知的財産権に関わる取り決めを国際的に統一化の方向を推進し、現時点でのさまざまな問題を解決するために設立されたのが「WIPO(世界知的所有権機関)」です。それでは、現在のWIPOが果たしている役割と今後の課題点について解説してみましょう。

基本的な約定条項である2つの国際条約

「世界知的所有権機関=WIPO(World Intellectual Property Organization)」は、各国間で貿易時に発生する知的財産権の問題を解決するための国際機関として1970年に設立されました。

 

スイスのジュネーヴに本部があり、東京・シンガポール・ワシントンDC・ニューヨーク・ブリュッセルの各都市に事務所が置かれています。2017年現在で199ヵ国と多数のIGO(政府機関)とNGO(非政府機関)が加盟している大規模な国際組織で、国連の専門機関でもあります。

 

WIPOでは、1883年に当時の先進諸国の間で締結された工業所有権(特許・意匠・商標)の保護に関する「パリ条約」と、1886年締結の著作権保護に関する「ベルヌ条約」を基本的な約定条項としており、両条約を批准していない国はWIPO加盟国であっても一般総会には参加できないという取り決めがなされています。

「総会」と「締約国会議」で組織の意思決定

「パリ・ベルヌ」の両条約がWIPOの基本原則となっているのは、2つの条約が知的財産権を保護するために必要不可欠な基本理念だからです。両条約を締約できない国家には、自由な創作・発案活動を阻害するなんらかの情報統制政策が敷かれている懸念があり、WIPOの最高議決機関への不当な政治的干渉を避けるために両条約の批准を総会参加の条件としているわけです。

 

とかく政治的思惑に翻弄されることの多い国際機関ですが、知的財産権は個人や法人の自由な発想によって発展するといわれるだけに、1世紀以上も昔に締結されたパリとベルヌの両条約がWIPOの揺るがぬ行動指針となっているのです。

 

WIPOでは、各国間で異なる知的財産権に起因する貿易上のトラブルを未然に防ぐために、総会とは別個に開催される「締約国会議」にて一般的な事項を討議し、勧告を採択しています。

 

同会議は他の条約の締結には縛られず「WIPOを設立する条約」を締結さえしていれば参加可能となっています。すなわち、WIPOの最高議決機関としては「パリおよびベルヌ条約」締約国を限定とし、一般事項の採択に関しては全加盟国で意見を交換するという形で組織の意思決定がなされているわけです。

アジアにおける中国の「知財摩擦」問題

さて、日本における国際的な知財に関する問題は、ほぼアジア諸国との関係性に集約されるといってよいでしょう。特に年々問題が深刻化してきているのが中国との「登録商標摩擦」です。

 

2017年の統計では、中国国内における商標出願件数は約575万件という膨大な数で日本の約5倍となっています。これに伴って、近年では日本の地名やアニメなどのキャラクターのネーミングが中国語に翻訳されて出願される傾向が強まっており、日本側から強い懸念が表明されています。

 

しかしながら、これらはあくまで中国国内での問題としてWIPOの総会や締約国会議の議題にのぼることはなく、勧告などの圧力もかけられないまま、次第にエスカレートしていく恐れが指摘されています。

 

このことから「WIPOは欧米先進国よりでアジアの問題がなおざりにされている」との批判も根強くあるようですが、この問題はいずれ欧米諸国にも飛び火する可能性もあり、日本側としてはWIPOを通じて打開策を模索したいというのが現在の課題です。

 

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