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バンダイが商標出願した「必殺技」が投げかけた波紋

特許・意匠とは異なる商標の権利期間

使用独占権に期限が設けられている特許や意匠とは異なり、5年または10年毎に更新可能な商標に関しては、出願人が法人格でありさえすれば、権利者となる企業や団体が存続する限り半永久的に権利が継続することとなります。同じ工業所有権でありながら特許・意匠と商標の権利期限における差異の法的根拠は、「権利者の保護」というよりも「社会的秩序」に依拠した規定であるといってよいでしょう。

 

発明の権利たる特許やデザインの権利たる意匠に関しては、一個人や一法人が長年にわたり権利を独占することによる弊害が出てきます。発明やデザインはそれらが創案された初期の段階と権利者が十分に独占権による権益を享受できたと想定される期間(出願から特許は20年、意匠は10年)を経過すると、社会的にはありふれたものに変容します。すなわち、これらの特許や意匠を一個人・法人に永久に独占させることは社会の発展を阻害する要因となるわけです。「創案者には一定期間十分な独占権を与えるが権利の更新は認めない」というのが特許・意匠における法的コンセンサスともいえるわけです。

 

永久権たる登録商標の意義

それではなぜ商標だけが永続的に登録更新できるのかというと、これもやはり「社会秩序の安定」という観点によっています。商標とは、消費者が商品やサービスを識別する標(しるし)であり、企業にとっては自社商品に付与された呼称やマークであるだけに、ある期間が経過して誰もが自由に使用できるとなると社会に混乱をきたします。たとえば「トヨタ」や「ソニー」などの商標がフリーになるとどうなるかを考えてみれば、登録商標が更新可能で永久権である理由は明々白々といえます。

 

ただし、半永久的に権利持続可能であるだけに、出願された商標の審査に関してはかなりの厳格さが要求されます。特に文字標章は商品区分が限定されるとはいえ「言葉を独占する権利」なので、該当商品区分で一般的に用いられるいわゆる「普通名詞」は登録査定とならないのが常識となっています。そして、登録商標の権利効力が当該商品区分に限定されることが一般にはあまり知られていないこともあって、特定の文字商標の出願がニュースとなることがしばしばあります。最近では、2016年1月19日付にて出願されたバンダイの「必殺技」が巷の話題に上がりました。これが認められると漫画やアニメ、ゲームなどで頻繁に用いられている「必殺技」という単語がバンダイ以外の企業は使用できなくなると受け取った人も少なくないようです。

 

「必殺技」は登録商標として独占できるか?

今回、バンダイが出願した「必殺技」の商品区分は第28類で「がん具、遊戯用具及び運動用具」となっています。実は同社は1996年に同じ28類に「必殺」という呼称を商標登録しており、今回この単語に「技」を付けて権利化を図っているということになります。バンダイでは近年大ヒットしている「妖怪ウォッチ」というキャラクター関連商品を商品化しており、同商品には多くのキャラクターが繰り出す「必殺技」があることから、この機に同単語を独占化して類似商品を排除しようという戦略があるようです。

 

ちなみに、特許庁では類似する商標の審査を容易にするために、「類似コード」が付与されています。つまり、商品区分が異なっても同一の「類似コード」があれば審査の対象となるわけです。20年前に登録された「必殺」では類似コードは3個だけだったのが、今回の「必殺技」では9個に増えており、このことからもバンダイが「必殺技」を幅広い範囲で権利化しようという目論見があると考えられます。キャラクター商品に関しては、年ごとに企業間の競争が激化しており、インパクトのある商標を独占できるか否かという点は、企業にとっての業績に関わる重要ポイントといっても過言ではありません。

 

「必殺技」が果たして商標として認められるのか、業界の注目が集まっています。


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